社会システム研究

ドイツと日本

日本の大都市一極集中の問題は深刻なものがある。

岸田政権は、少子化対策も「異次元の」と銘打ち、菅政権から継承した不妊治療費の国庫負担政策や男子含めた育休制度の拡充など、前向きな検討が促進されている。しかしながら、これらで必要十分条件の十分を満たしているといえるだろうか。やはり、人口の都市一極集中問題は、少子化対策の十分条件として検討すべきではないかと思うのである。生態学的にもある地域での人口増はロジスティック曲線で飽和していくことが知られている。たとえば、勤務先に近い住む場所は徐々に狭まり、そこに住む若い世代や子供たちの数はいきおい制限を受ける。解決方法は多角的に検討する必要があるとしても、根本にある問題のひとつは人口の分散化をどう進めていくかである。

ドイツが人口8300万で日本の約2/3に対して首都ベルリンの人口は385万しかない。第二の都市ハンブルグに至っては185万。しかも1991年からわずかに増えただけである。あちこちに首都があるイメージである。(都市もエネルギーも)分散化に対する考え方、人々の主体的行動力、の違いがあると思えるのである。
例えば、城塞都市(日本では城下町)の作り方。ドイツの城塞都市は旧市街ともいわれているが、街の真ん中に教会があり高い城壁で街ごと守られている。日本は城下町そのものが盾がわり(お堀はあったが、武士のみがお堀の内)で敵の進軍を城下町で守っているイメージ。ドイツとは市民の守り方、市民の外敵からの守り方のマインドが異なるように感じられる。

日本は、できるだけ大勢で集まっておいたほうが安全だという感情を多くの人に根付かせてきたのではないだろうか。
だから産官民みんな一ヶ所に集まりたくなるのではないかと、、、単なる仮説にすぎないので検証は必要であるが、日本人の街づくりや日々の暮らしに関するマインドの問題は深く関係しているように思われる。


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