社会システム研究

競争戦略からエコシステム戦略へ

時代変遷と自らの経験

電子機器事業・半導体事業での経験を基点に、過去の事例研究から、太陽光発電や電力取引事業など将来さらに発展する事業にいかに活かすべきかについて研究してきています。

企業の競争力視点での研究においては、プロダクトアウト発想ではなく顧客との関係にフォーカスしてきました。同時に、顧客との関係において、供給側がとるべき発想は、イノベーションの多角化も反映させる背景から「多くの事業者がやりがいをもって参画できるエコシステムの運用力」がカギになることに着目してきました。

私が進めてきたエコシステム研究を今後、地方創生など「持続可能なしあわせな地域づくり」や「新たなビジネスモデルの育成」につなげていきたいと考えています。また、当然のことながら、エコシステムは’仲良しクラブ’を意味するわけではありません。ヒト・モノ・カネを投入する限りは発展する土壌(利益を生み出す)でないと毎年毎年芽を出すことはできません。

まずは、産業戦略論の歴史からエコシステムの考え方がどう日本企業ではとらえられてきたかから振り返ります。

では、なぜ日本企業は対応が遅れたのか・・・

垂直統合モデルへのゆるぎない自信というか、過去の成功モデルから脱却できない風土、とエコシステムの重要性はわかっていても、どうしても垂直統合のためのエコシステムと考えてきてはいないか・・・などが、企業として、また構成する社員としての思想の未熟さも含めあったのではないかと考えています。

では、将来に向かってどう解決していくのか、若い世代はどう対応していくべきなのか・・・

第1には、エコシステムでやっていく外交力を鍛え、エコシステム内のニッチ・プレーヤーの視点で戦略を考える「習慣」が必要と思われます。第2には、IoTプラットフォームは、この「習慣」をサポートする共創機能をもつと思われ、技術者のみならず多くの人々がこの共創機能を使いこなす力をつけていくべきと思っています。

この共創機能をいかに具体的に動作させ、競争力のあるエコシステムにしていくのか、P2M体系、アーキテクチャ論、標準化戦略論、システム論、A-U(Abernathy and Utterback)モデルなどを用い研究しています。


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