下図左は、従来の一般的な営農型太陽光発電、同右は、提案する反射板搭載の営農型太陽光発電を示します。
上図右の提案では、
従来の通常の営農型太陽光発電で発生する日影部分に反射光を照射することができます。 このことで、日射・日影のインターバルによる光合成効率の低下を緩和することができます。現状はほとんどの営農型太陽光発電所では、作物への影響を少なくするよう、パネル積載率を下げなるべく高く設置するなど工夫されています。
下記は温室への適用例です。
温室平面積の約50%を太陽光パネルで占有することができるとともに、温室の骨組みを架台として活用できます。
想定する進化型アグリソーラーシステムの導入効果
上の図は、これまで農家さんや農業研究者へのヒヤリングを基に構成しています。
文章にまとめると・・・
具体的には・・・
Youtube
【S9-番外編】進化型アグリソーラーとは – YouTube
立命館大学理工学部 峯元高志教授のYoutubeチャネル「太陽光発電大学」、シーズン-9「営農型太陽光発電の今と未来」の番外編として先生のご厚意により収録されました。
従来型ソーラーシェアリングの「作物生育への影響分析」についてはこちらをご覧ください。
従来型で遮光率を上げた場合(=太陽光パネルの積載率を増やし発電量を増加させる場合)「日射、日影のインターバル」による影響が顕著になる可能性があります。
進化型アグリソーラーシステム制御の概要
太陽光高度に基づき反射板角度を制御しますが、反射板を曲面とすることで反射光をある程度広げることを想定しています。
下図はイメージがわかりやすいようシリンダによる制御の図にしていますが、ロータリーエンコーダーによる回転制御も可能で、業界ではパネルの角度制御に実績があります。
下図はアントラボでの模擬装置の写真です。
反射板制御模擬装置
反射板に垂直に取り付けた傾斜系の値を読み、太陽光高度から圃場への反射光の最適な角度を計算、シリンダを用いて反射板の角度を制御するしくみ。系のノイズなどによるチャタリング防止やシリンダによる連結部の「遊び」を想定して、角度制御の幅はある程度尤度は必要と考えています。
太陽の高度・方位理論計算値、傾斜計電圧(シリンダ制御の結果)をAmbient IoTへアップ中
カーソルをあてるとデータと時刻が表示されます。反射板は太陽がある一定高度になれば制御され始めます。
※Ambient IoTについて
アンビエントデーター株式会社が運営しているIoTサービスです。
信頼性観点では、連結部が少なく強風時に相互に影響を受けないよう各回転軸にロータリーエンコーダを実装する方が安全と思われます。また、ロータリーエンコーダーにより圃場内のエリア毎の個別制御対応とした場合、圃場内の作物の成長度合いに対応した制御も可能となります。
進化型アグリソーラーシステム+環境・成長モニタリング
この進化型アグリソーラーシステムを基盤(プラットフォーム)として、「スマート農業の新たなイノベーション+進化型アグリソーラーシステム」で仲間づくりを進めています。
下図は、太陽光発電モニタリング含む統合プラットフォームです。
作物の成長や品質をモニタリングし、反射板で日照時間を調整することも可能です。
下方の図は、作物のため、のみならず作業者の環境良化やLED活用による防虫防除で農薬使用量を減らす取り組みとの連携も可能と考えています。
参考文献
(クリックでリンク)
⾚⾊LEDによるアザミウマ類 防除マニュアル
黄色LED光源を用いた物理的害虫防除装置の試作-1
黄色LED光源を用いた物理的害虫防除装置の試作-2
紫外光(UV-B)照射を基幹とした施設イチゴ病害虫の新防除体系